万治2年(1659)に架橋された両国橋は、今年で360年を迎えます。
人は60歳で還暦ですが、両国橋は6度目の還暦といえるでしょう。
そもそも両国橋は、明暦の大火をきっかけとして設置されましたが、この大火で亡くなった無縁仏の冥福に祈りをささげるための御堂が回向院の歴史の始まりです。
やがて両国橋は東西を結ぶ幹線道路となり、橋の一帯は江戸随一の繁華街に発展してゆきます。

本展覧会では、隅田川の四季の風景や行事と寄り添ってきた両国橋を描いた浮世絵を展示するとともに、6度目の還暦にちなみおよそ60年ごとの美人画の変遷をたどります。

江戸随一のワンダーランド 両国橋・スター絵師たちの競演

両国橋はその名の通り、隅田川を境とする武蔵国と下総国、2つの国を結ぶ橋として誕生しました。回向院での大相撲や出開帳、花火があがる隅田川の川開きと、両国は江戸随一の盛り場となりますが、人々はまさに両国橋を通って「ワンダーランド」へと足を踏み入れたのです。

北斎、広重、国芳をはじめとする江戸の華として活躍した数々のスター絵師たちが、そんな両国橋の姿を多くの作品に描いてきました。納涼に月見、花火に忠臣蔵まで。江戸の人々の愉しみや喜び、憧れが凝縮された浮世絵作品を眺めていると、両国橋に展開される「ワンダーランド」の明るく粋な空気を吸い込むことができそうです。

両国橋60年ごとの風俗絵巻 美人画バラエティ

架橋360年となる両国橋は、今年で6度目の還暦を迎えることになります。長い江戸を経て、明治、大正、昭和、そして平成からさらに新しい時代へ。両国橋は時代、あるいは人々や文化の移り変わりに寄り添い続けたといえます。

そこで本展覧会では、万治2年の架橋から十干十二支を一巡りするごと、つまり両国橋が60年の還暦を迎えるごとの肉筆画による美人画の展示を行います。各時代において女性がどのように描かれてきたのか。その変遷とともに、一点一点絵師が描いてきた作品から各時代の生の息吹をお楽しみください。

回向院に眠る天才絵師 清長・江戸のヴィーナス

江戸文化の中心であった回向院は、同じく江戸文化において重要な役割を担った絵師、鳥居清長が眠る場でもあります。北斎、広重らと並ぶ六大浮世絵師として世界から高い評価を受ける清長は、現在私たちが見てもハッとするような、新鮮で美しい浮世絵を描き続けました。特に彼の描く、すらり長い手足を持つ八頭身の女性たちは「江戸のヴィーナス」と称され多くの人に愛されています。

清長ゆかりの回向院で、彼の生んだ美に触れてみてはいかがでしょうか。

特別記念講演

5月11日11時より、
(公社)川崎砂子の里資料館館長・斎藤文夫氏をお招きし
特別記念講演会を行います。
ぜひご参加ください。

講演会